評価や査定はなし、社員の給料は公開、役員は立候補制、トップは権限を手放して社員がプロジェクト単位で主体的に会社を運営する――。本書は、こうした「非常識」な組織・人事制度で話題のベンチャー企業イーディーコントライブと、同社の川合アユム社長の経営哲学を読み解いた1冊である。 似たものに成果主義や参加型経営、事業部制なども思い浮かぶが、同社の根底には、必要なプロジェクトを社員の提案で決めたり、社員が自ら各プロジェクトと雇用契約を結んだりといった「個人の自発的意志に基づくシステム」があるという。この「PD制度」で同社は急成長し、東証マザーズへの上場も果たしている。 本書によれば、この異例の経営が生まれた背景には、会社組織に対する川合社長の次のような問いかけがあったという。「会社のために」といって社員を命令に従わせていいのか、組織の目的が社会貢献から組織維持や利潤追求に変質しているのではないか、企業活動が環境を破壊しているのではないか…。 ナイーブだとしてよく切り捨てられがちなこうした問いを、妥協せずに突き詰めていく川合社長のエピソードは圧巻である。経営の合理性や経済効率、組織の論理よりも、個人の倫理を貫くことが問題解決を導いたこのケースは痛快でもある。 実際に同社では、PD制度によって「縦割り」の弊害の解消や、柔軟な働き方の実現、「失敗を許容する」仕組みによるアイデアの創出などのメリットが生まれているという。「20世紀型」の企業組織が行き詰まるなか、それを個の自発性や倫理、支援、利他の精神といったコンセプトで克服しようとする試みが盛んであるが、それらを集約した次代の経営モデルを早々に見せられたような驚きがここにある。(棚上 勉)
読み物として面白い
川合アユム氏の物語として非常に面白い。 組織の実際的組織作りについての記述はいまひとつ。
結果が全て。
時に、管理や査定がステレオタイプに即、悪とレッテルが張られるのには、危険な兆候を感じる。管理にも、人を駄目にする管理と、能力と結果を伸ばす管理があるにも関わらず、それらの検討と努力を放棄しては、現実逃避でしかない。 ここで述べていることは、十数人の個人が集う組織では可能だが、組織が実際に発展していく段階で、本当に、各組織の単位が分散することなく、マネージメントできるイメージがわかなかった。まだまだ、赤字企業のようだが、オリジナリティーを標榜する場合は、結果でしか、判断されないので、著者の公認会計士と社長の今後の成長に期待。
もう少し突っ込んだ内容がほしい
イーディーコントライブは、特異な経営手法を取り入れているのは、有名なことである。この本は、そのことについて触れられており、川合アユム氏が会社経営にいたるまでのことも触れられている。 確かに、従業員の働きがい、自己実現を手伝うことが、経営者の仕事だと思うが、そのモチベーションをどう作り上げていくのかについては、あまり触れられていない。この本に書かれていることだけだと、経営者のストレスは相当なものになると思います。 もっと、モチベーションをどう作り上げるか、どう与えてきたかそのことについても触れてほしかったです。
ベンチャー企業のあり方
ベンチャー企業に勤めています。 聞こえはいいのかもしれませんが、やはり組織は組織。 大企業からのドロップアウト組が多いので体質は旧式の組織。 結局どこもたいした違いはないと思っていました。 この本を読むまでは。この本には本来あるべきベンチャー企業の姿が描かれています。 会社が成長するにはまず個人が成長しなければならない。 個人が成長するにはその為の環境が必要です。 それを実現してきた過程が分かります。 お互いに補完しあい、成長していけるような組織。 これが真の意味での組織なのだと思います。
イソズミさんのHPで紹介していたから買った本。
「PD制度」自体をリアリティに感じることは難しかった。 自由とそのための厳しさ(プロフェッショナル)が 受け取った感想。 サラリーマンでは困難、 ビジネスマンなら魅力的。 自分に甘い自身をふと、不安に思う。
実業之日本社
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